ブックタイトルビジネス基礎【334】

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ビジネス基礎【334】

うにする取り組みやしくみがあります。これらをコーポレートガバcorporate governanceナンスといいます。きはんコーポレートガバナンスの例としては,企業の行動規範をつくり,経営者から従業員まで研修などを通じてコンプライアンスの重要性51015を再認識する機会をつくることなどがあります。とりしまりやくまた,社外取締役制度を導入したり,取締役会の意思決定に外部りがいの利害関係者を参加させるなどの取り組みをしたりすることによっおこなて,取締役会の監視・評価機能を回復させる努力も行われています。さらに,すべての利害関係者に対して,企業活動の情報公開をすることも重要な取り組みの一つです。3倫理観をもった活動たいコーポレートガバナンスにより,不祥事を防ごうとすることは大せつ切です。しかし,いくらしくみをつくっても,実際に働いている経営者や従業員に前向きな心がまえがなくては意味がありません。ビジネスにたずさわる一人ひとりが社会的責任を理解し,自発的りんりに倫理観をもった活動をすることが求められているのです。??外部に情報を公開することです。ディスクロージャー(disclosure)ともいいます。おうみ企業が倫理を守るのは,現代だから?―近江商人―202530企業倫理は,現代だから必要なのでしょうか。実は,わが国には,江戸時代の商人の考え方のなかに企業倫理をみることができるのです。さんぽう「三方よし」とは,近江商人の理念を表すことばとして知られています。近江商人とは,江戸時代に近江の国(現在の滋賀県)から,全国各地にぎょうしょう行商をしていた商人です。この近江商人はたいへじょうずん商売上手で,現在の有名な大企業のルーツになっています。じへえ江戸時代中期の近江商人である中村治兵衛がまかきおとめた書置きに「売り手よし,買い手よし,世間よし」のもとになった記述があります。これは「三方よし」といわれ,ものを売る人も満足,買う人も満足,世間(社会全体)も満足することをいいます。「たとえ他国へ行商に出かけても,自分のことより,その地域の人を大切に思って商売をする」というこの考え方は,企業だけが利益を出すだけではなく社会全体の利益を考える企業倫理につながっているのです。近江商人(明治期の復元写真)5企業倫理……129