ブックタイトルビジネス基礎【334】
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ビジネス基礎【334】
3ビジネスは選択の連続きしょうせんたく生産要素が希少なため,企業はさまざまな選択をしています。資金が限られている状況で,A商品とB商品のどちらを販売したほう?トレード・オフは,選べる選択肢が二つ以上あり,その選択肢を同時に選べないときに発生します。高校卒業後の進路について,進しゅうしょく学か就職か選ぶ状況もトレード・オフです。?上の?の例において進学を選んだ場合,入学金や授業料などは「直接的に支払う金銭」であり,就職していれば得られたであろう収入(給料)などが「機会費用」です。がよいのか,どの事業を拡大あるいは縮小すればよいのか,また,せんねん海外に進出すればよいのか,国内の事業に専念したほうがよいのかなどの選択をすることが,例としてあげられます。いっぽうこのように,どちらか一方を選択すれば,もう一方をあきらめなければならない状態を,トレード・オフといいます。また,選択しtrade-offsせんたくしなかったもう一方の選択肢を選んだときに得られるであろう価値,つまり,トレード・オフによってあきらめなければならない価値を,さい機会費用といいます。何かを選択する際には,あらゆる選択肢につopportunity cost?こういて,「直接的に支払う金銭」と「機会費用」という二つの費用を考りょ慮し,よりよい選択をするようにつとめなければなりません。特にビジネスにおいては,より損失の少ないほうを選択する必要があります。これを「合理的な選択」といいます。ビジネスでは,限られた条件のなかで,複数の選択肢のなかからより合理的な選択肢を選び続けることが必要なのです。?51015土地利用におけるトレード・オフと機会費用いとな農業を営むAさんが所有している土地は,以前から水田として利用され,そこでは米が生産されけいこうてきました。しかし,最近米の消費量が減少傾向にあるというニュースをみて,その土地を水田から野菜をつくるための畑にかえようという考えが浮かんできました。土地は無限の広さがあるわけではありません。農家は限られた土地で,どの作物をつくるのか選択をしています。つまりこれはトレード・オフです。Aさんは,このまま米をつくるほうがよいのか,それとも野菜につくりかえるほうがよいのか考えて,選択しなければなりません。では,いったい何を基準に決めればよいのでしょうか。このようなとき,機会費用の考え方が重要になります。Aさんは,米をつくり続けたときに得られるであろう利益と,野菜をつくれば得られるであろう利くら益を比べた結果,米をつくり続けることを選択しました。野菜の生産から得られる利益(機会費用)うわまわよりも,米の生産から得られる利益が上回っていたからです。米をつくり続けることを選択したAさんは,こひりょうの後,どの品種の米をつくるのか,どの肥料や農薬を使うのかなど,あらゆる選択をし続けなければなりません。また,土地利用について選択をするのは,農家だけではありません。たとえば,企業がもっている商業地域の土地でも,自社の事務所をつくるか,貸し店舗をつくるか,駐車場をつくるかなど,さまざまな選択肢があります。つまり,これもトレード・オフであり,それぞれの機会費用を考慮し,合理的な選択をしなければなりません。20253034……2章経済と流通の基礎