ブックタイトルビジネス基礎【334】

概要

ビジネス基礎【334】

51015203グローバル化とビジネスこんにち，輸送技術と情報通信技術の発達や，世界中で通用する?基準の制定によって，国境をこえた商品の売買や人の移動が活発におこな?行われています。このように，人・商品・お金・情報が国境をこえいきて地球上のどこにおいても自由に行き来する状態をグローバル化とglobalizationいいます。けいこう近年，グローバル化は進んでいく傾向にあります。日本においておとずまちなかは，海外からの客がよく訪れる街中では，日本語の案内だけでなく，外国語による案内表示がみられます。また，大学においては多くのりゅうがく学生が留学をしたり，留学生を受け入れたりもしています。グローバル化が進むということは，地球上のいたるところでビジネスを行い，現地の企業と競争することになります。そのため，企いっそうふかかち業は，より一層競争力をつけて高い付加価値のある商品を開発しなさいければなりません。また，海外で企業活動をする際に，自国でうまくいったやり方が，そのまま通用するとは限りません。それぞれのてきせつ?国の文化や習慣に適切に対応するローカライゼーションという考えlocalization方をもとにビジネスを行う必要があります。いっぽうきょてん一方，グローバル化によって企業の生産拠点が海外に移転するこすいたいくうどうかげんしょうとで，国内における産業が衰退していく産業の空洞化という現象も起こっています。?グローバル・スタンダードといい，国際会計基準やISOによる規格の例があります。?これをボーダレス（境界がない）社会といいます。多言語による案内表示の例?現地化という意味があります。ローカライゼーション2530日本の百貨店の多くは，海外にも進出しています。そのなかでも，シンガポールに出店しているてんぽ百貨店T社は，地元のニーズをとらえた店舗構成で成功をおさめています。たとえば，一年中暑きこうい気候であるため，衣料品はあまり扱わず，その代わりに婦人用バッグなどの品ぞろえを増やしてやたいいます。また，フードコートでは，屋台をそろえ，地元の定番料理であるヨントーフーやチキンライスの店などが並ぶようにしています。このような店舗構成を可能にしたのは，T社が400名のスタッフのうち，日本人を10名たらずにし，現地で多くの従業員を採用し，積極的に経さんかく営に参画させたからです。これらの従業員が，現地の事情や状況に応じた店舗づくりを支えています。Ｔ社シンガポール店2社会の変化とビジネスの発展……39