ブックタイトルビジネス基礎【334】

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ビジネス基礎【334】

2食料・食品に関する課題とビジネスチャンス?耕作放棄地とよばれています。(%)オーストラリア250200150100各国の食料自給率の推移アメリカドイツフランス500イギリス日本1961708090200011(年)*カロリーベースの食料自給率である。*農林水産省Webサイトから作成。?株式会社,特例有限会ふく社,NPO法人などが含まれます。サービス経済化が進んだわが国では,農業,漁業といった第一じゅうじにな次産業に従事する人が減少し続けています。また,担い手の高齢?化や減少などにより,使われていない農地が増加するという問題かかも抱えています。食料の多くを海外からの輸入にたよっているわが国では,このような問題に対して,農地の有効活用と生産性の向上をめざす取り組みが進められています。?さんにゅうその一つに,企業など一般法人による農業への参入があります。げんそく農地は農家個人が所有し利用することが原則でしたが,近年,一般法人が農地を借りることが認められるようになりました。そのおこな結果,一般法人による農業への新規参入が着実に増え,個人で行だいきぼうよりも大規模で効率的な生産が行われるようになりました。また,最近では食品に対する安全性がこれまで以上に注目されるようになっています。食品を安い価格で提供することだけを目標にするのではなく,手間や費用がかかっても無農薬で生産したしゅうかくしゅっかほじり,収穫してからすぐに出荷して新鮮さを保持したりするなど,こうふ高付か加か価ち値商品の提供をめざしています。51015工場で生産される野菜野菜は,その多くが畑で生産されていますが,近年工場で生産されるケースも増えています。ちちぶさい埼玉県秩父市のY社では,空き工場の1階を栽ばいしつはもの培室にして,レタスなどの葉物野菜を中心に生産むきんしています。栽培室内は,ほぼ無菌状態なので,がいちゅう病気や害虫が発生することがなく,農薬を使わない安全な野菜の生産ができます。また,必要なときに必要な栄養分を,工場内の機械による自動制にがみ御で与えることにより,苦味のない甘い野菜をつよごくきくることができます。野菜には汚れがなく,茎の一部を捨てるほかは,洗わずにそのまま食べることができます。そのため,サンドイッチを生産する食品メーカーやレストランなど,野菜を大量にちょうほう使用する企業から重宝されています。この生産方法では倉庫やビルの空きスペースを有効に活用できることから,企業の新規参入が増ふたんえています。また,作業者の体への負担が少ないこようことから,高齢者や障がい者の雇用につながることも期待されています。なお,この例のように,たも環境条件を自動制御装置で最適な状態に保ち,作いっかん物の種まき,収穫,出荷調整などの作業を一貫してしょくぶつ計画的に行う生産システムを植物工場といいます。Y社の栽培室収穫前のサラダ菜20253042……2章経済と流通の基礎