ブックタイトルビジネス基礎【334】

概要

ビジネス基礎【334】

3人口構造の変化とビジネスチャンス一年間に生まれる子どもの数は，1970年代前半は200万人前後でしたが，近年では100万人程度となっています。また，医療技術じゅみょうの進歩などにより，平均寿命はこの50年間で男女とも15歳以上長さまざまな環境の変化によって，新しいビジネスを起こすチャンスが生まれるんだね。5くなっています。1015このように少子高齢化が進むことにより，労働力が減少して経済なや成長の伸びが低下したり，消費が伸び悩んだりするなどの問題が指摘されています。あらしかし，ビジネスの世界では，これを新たなビジネスチャンスととくかいご受け止めており，特に医療・保健・介護の分野では，高齢者に対する消費の拡大が期待されています。製造分野では，ユニバーサルデuniversal design＊1はいりょザインの商品を開発するなど，高齢者への配慮をより重視しえんしています。少子化に対しては，子育てを支援するためのサービスを充実するほか，子どもの数が少なくなっている分，一人の子どもに多くのお金をかけられることから，よがんぐり高額な子ども向けの衣料品や玩具といった商品を積極的に開発・販売するようになっています。Word＊1ユニバーサルデザインうむ年齢や障がいの有無などにかかわらず，できるだけ多くの人が利用可能であるデザインです。見やすく押しやすいトイレそうさの操作ボタンは，ユニバーサルデザインの例の一つです。202530シックス・ポケットシックス・ポケット（six pockets）とは，子そふぼども一人に対して，両親と両祖父母をあわせた六人がお金を提供しているという状態をいい，「六さいふつの経済的なポケット（財布）」があるという意味です。子どもの数が減っている分，一人の子どもにかけられる金額は大きくなっています。そのことが，まご高額な商品やサービスを子どもや孫に買い与えたいという両親や祖父母の気持ちにつながることになります。少子化をビジネスチャンスとして考えるためには，子ども自身を対象とした商品を開発するだけではなく，その両親や祖父母にも受け入れられる商品を考えることが重要になっています。2社会の変化とビジネスの発展……43